小学校外国語活動はこれ1冊でO.K.B 文字を教える意味

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写真のアルファベットトランプをお頒けします。ほしい方はメイルで連絡ください。1セット400(送料込)です。

メイルら)

 

 

「文字を教えること」の意味を、ちょっと原点に戻って考えてみましょう。英語の文字はアルファベット26文字、大文字と小文字があります。また表記法としては「文と固有名詞の冒頭大文字(capitalization)」コンマ(,)、ピリオド(.)、クエスチョンマーク(?)エクスクライメーションマーク(!)など、いろいろなこまごました約束事(routine:ルーティン)があります。

  小学校外国語活動でこれらを全部やる必要はありません。私は小学校外国語活動のターゲットは「単語(vocabulary)だと思っていますので、書かれた長い文を読むことは必要ないと思います。単語レベルで文字を使いこなすために、何が必要か、この点に絞って今回は考えてみます。

  まず「文字そのもの」に慣れることが第1歩です。現在、子どもたちの生活のなかで身の回りに横文字はあふれかえっています。それらをよく見てみるとほとんどが大文字です。ところが単語の表記は基本的に小文字を使います。ここに文字習得の大きなギャップがあります。文字学習のメインターゲットは小文字なのです。中学校に入学して英語につまずいている子のほとんどは b d の区別があいまいです。活字の時はまだいいのですが、書かせてみると、nrh が判別不能な文字を書いています。実は「図形」としての文字を正しく認知する、ということに特別な支援の必要な生徒はけっこういるのです。文字の形の習得のコツは基本的には「習うより慣れろ」です。目からどれだけの回数、正しい形を入力するか、これがポイントです。

  もう一つは文字の名前(読み)をしっかり覚えることです。a を見せた時に「エイ」と文字の名前を読む子もいれば「ア」とローマ字の発音をする子もいます。概括していうならば「a(エイ)という文字は、単語の中では『ア』と発音するのだ」「b(ビイ)という文字がある時には、バ行の音になる」という理解の仕方が個々の文字に関して必要です。これは慣れないうちは、うんざりとするほど面倒なことなのです。

  そこでこの学習は二つの別の活動に分けるのが良いでしょう。

  まず、文字の図形認知と読みを覚える活動、私が推奨しているのは写真にあるような「アルファベットトランプ」です。トランプは4種類のマークに13までの数字です。なぜかこれがぴったりとアルファベットに符合しています。私はこのような教材を使って繰り返し「7ならべ」をやります。大文字と小文字のマッチングという意味では「ババ抜き」でもいいのですが、アルファベットの順番を覚えるには7ならべの方が適しています。これをあきるほどやると、子どもは楽しくアルファベットの文字そのものを覚えていきます。

  次にアルファベットによる音韻(単語の読み)の表記法のトレーニングです。これは「ローマ字」がいいでしょう。現在の小学校ではあまりローマ字をきちんとは教えないようですが、ローマ字が読める子どもは英語の読みを7割がたはマスターしていると思っていいでしょう。その際に私が以前から推奨しているのは「固有名詞」を書かせる、というやり方です。これならば、英語の学習にも直結します。家族、友達、住所、学校名などを、どんどんとローマ字表を見ながら書くのです。もちろん冒頭大文字と小文字の組み合わせで。  文字を教える時にアルファベットをaからzまで順番にひたすら書かせるという方がおられますが、無機的であまりいい方法に思えません。子どもは自分の名前をローマ字で書きたがります。そんな心理をうまく利用すれば、文字の学習も楽しく取り組むことができます。

小学校で文字を入れない、という考え方の背景には、「文字を入れると負担が増えて英語嫌いが増える」ということをおっしゃる方もいるようですが、そうではありません。私は小学校外国語活動を実際に指導した経験はありませんが、あちこちの難聴の子どもを対象にしてワークショップ、聾学校での重複学級の生徒への指導などを通して、この方法の有効性を確信しています。

うまく英語の文字の世界へ誘導してやることは、生徒の英語学習を豊かで確かなものにしてくれます。

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